こんにちは。
ホームページ上でこの陰睾のお話をさせて頂いてから
陰睾の問い合わせが増えてきました。
今回は当院で5件目の陰睾手術です。
手術を受けたのはクッキーちゃん。
ちょっとビビリが入ってますが^^;
とってもフレンドリーな2歳のダックスさんです。
術前の状態ですがご覧の通り、睾丸は立派ですがひとつしかありません。
この子は以前から、身体検査では陰睾を全く触らなかったので、
恐らくはお腹の中だろうとお話していましたが、
麻酔をかけてみると左の鼠径部にしこりがあります。
これが鼠径部のリンパ節なのかはっきりと確信できなかったので
正常な睾丸を摘出したあと、まずは鼠径部のしこりを探ってみました。
しかしやはり、リンパ節だと確認できたので、次いでお腹を開ける事になりました。
画像はお腹の中にあった睾丸です。
いつも通り、精管を辿っていこうとしたところ、
精管が左右に分岐する場所に高度な変形が観察されました。
写真の、睾丸から向かって左側、約1cmほどの太い帯状の部分が、
いびつに変形して短縮した左側の精管の全長です。
お腹の中の、精管(黒矢印)と、精管が変形している部分(白矢頭)です。
左の精管は正常なので長さは10cm以上ありますが、
変形した右の精管(陰睾側)は太く短く、全長で1cmくらいしかありませんでした。
無事に摘出された睾丸です。
大きい方が正常な睾丸で、小さい方がお腹の中にあった睾丸です。
この子はまだ3歳前と若いですが、お腹の中にあった睾丸は
まだ癌化には至ってないものの、
病理検査では、先に紹介した5歳の子の睾丸と同じく、
セルトリー細胞しか残っていませんでした。
クッキーちゃんの、一見正常に見える腺構造
ただ、著しく変形していた精管については、ただ萎縮しているだけで
特に問題はなかったようです。
2013.03.11更新
陰睾手術3
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