治療紹介

2014.05.27更新

今回は、他院にて脾臓に腫瘍がみつかり、

当院に転院してきた、

リオちゃんのケースをご紹介します。



健康診断中に、脾臓に腫瘍が見つかったそうで、

手術を勧められたけれど、

諸々の事情で不安があるとの事で当院を受診されました。


早速エコー検査をしてみると・・


  

黄〇の部分が脾臓の腫瘍部分で、直径はおよそ2センチ。

中は血行豊富で、画像だけだと血管腫や血管肉腫の疑いもありそうでした。

心臓にも少し異常があるようで、

もしも血管腫系の腫瘍だとすると、心臓への転移の心配もあるため

よく話し合った上でやはり摘出する事になりました。





これはお腹を開けたところです。

赤いかたまりが脾臓ですが、全体にむくんでいるようです。




腫瘍部分も見えました。

周辺の組織と癒着したりせず、

きれいな状態だったので摘出は問題なさそうです。




超音波を利用したシーリングという手法で脾臓を摘出しているところです。

従来ですと、脾臓にたくさん出入りする動脈や静脈をそれぞれ、

手作業で結紮>離断を繰り返していかなければならず、

手術時間もずいぶんとかかったものですが、

この機械があるとうんと短い時間で手術を終われるので

身体への負担も少なくて済みます。




摘出した脾臓と





病理画像です。

 自己壊死後のリンパ球を貪食するマクロファージが散見されるほか、
 形質細胞の分布が目立つなど
 一種類の細胞ばかりが敷石状に増殖するような、
 リンパ腫を疑わせるような所見は得られない。

                                   (難波病理)

との事で、

悪性の腫瘍ではありませんでしたから、ひと安心です。

先日、無事に抜糸も終えて、今のところ問題もなさそうですが、

今後は術前に発覚した心臓の病気について、

細かくケアしていかないといけません。

投稿者: 博多北ハート動物病院

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