治療紹介

2014.02.03更新

今回は再び、唾液腺嚢胞のワン子のフクちゃんです。



前回の吉吉君と同じく、今回もダックスさんなのは、やはり好発犬種だからでしょうか。

開業前に勤めていた病院でこの病気で診ていた子達もダックスさんが多かったですし。




これは横から。

顎の下に大きな大きな、たぷんたぷんの袋がとっても邪魔そうです。



フクちゃん、これまでかかっていた病院で

定期的に中の液を抜いてもらっていたそうですが

溜まる速度が早くなってきたため

手術を希望されて当院にいらっしゃいました。

この病気は基本的には痛みもないため、

邪魔になるほど大きくならなければ様子を見てもいいと思いますし

一度抜くと、再発まで間が空くようなら、

時々穿刺して唾液を抜くという方法で維持するのもいいと思ってます。

ですがフクちゃんの場合、1週間もしたら写真の通り、大量に溜まってしまうので

これはさすがに、何かしら手を打たなければなりません。

初めは、ワン子の唾液腺症のうち内科治療に反応する子がいるので

先に内服でのコントロールを試してみましたが

ちょっと反応している印象はあるものの残念ながらコントロールには至りませんでした。

そこで今回の手術となったワケです。




これは、手術直前ですね。

これだけ大きな袋では、さすがにそのままというわけにもいかないので

まずはこの袋を摘出して、

次いで左右どちらか、今回の症状の原因となる側の

唾液腺(舌下腺と下顎腺)を摘出する事にしました。

まぁ、手術を進めていくうちに

この嚢胞が実は二つに分かれていた事。

左右の唾液腺両方とも腫れていた事。

などが判明して、結局は両方とも摘出する事になりました。



これは唾液腺(舌下腺と下顎腺)を取り出しているところです。

鉗子のもう少し奥まで、きれいに剥離して摘出します。




術後の経過も良く、

すぐは腫れていたお顔も、退院の時にはすっきりして

元気に帰っていきました。



あとは、この病気には残念ながら、ある程度再発の可能性があるため

これからしばらくは要注意です。






        


抜糸にきたフクちゃん。

術後の経過はすこぶる良好で、

ひとまずはもう大丈夫と、治療終了です。

投稿者: 博多北ハート動物病院

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