今回は、他院にて脾臓に腫瘍がみつかり、
当院に転院してきた、
リオちゃんのケースをご紹介します。
健康診断中に、脾臓に腫瘍が見つかったそうで、
手術を勧められたけれど、
諸々の事情で不安があるとの事で当院を受診されました。
早速エコー検査をしてみると・・
黄〇の部分が脾臓の腫瘍部分で、直径はおよそ2センチ。
中は血行豊富で、画像だけだと血管腫や血管肉腫の疑いもありそうでした。
心臓にも少し異常があるようで、
もしも血管腫系の腫瘍だとすると、心臓への転移の心配もあるため
よく話し合った上でやはり摘出する事になりました。
これはお腹を開けたところです。
赤いかたまりが脾臓ですが、全体にむくんでいるようです。
腫瘍部分も見えました。
周辺の組織と癒着したりせず、
きれいな状態だったので摘出は問題なさそうです。
超音波を利用したシーリングという手法で脾臓を摘出しているところです。
従来ですと、脾臓にたくさん出入りする動脈や静脈をそれぞれ、
手作業で結紮>離断を繰り返していかなければならず、
手術時間もずいぶんとかかったものですが、
この機械があるとうんと短い時間で手術を終われるので
身体への負担も少なくて済みます。
摘出した脾臓と
病理画像です。
自己壊死後のリンパ球を貪食するマクロファージが散見されるほか、
形質細胞の分布が目立つなど
一種類の細胞ばかりが敷石状に増殖するような、
リンパ腫を疑わせるような所見は得られない。
(難波病理)
との事で、
悪性の腫瘍ではありませんでしたから、ひと安心です。
先日、無事に抜糸も終えて、今のところ問題もなさそうですが、
今後は術前に発覚した心臓の病気について、
細かくケアしていかないといけません。
2014.05.27更新
脾臓腫瘍
投稿者: